グラフで見る!建築費高騰2024年(構造別:木造・鉄骨造・RC造)とインフレ対策 

工事費用・インフレ

建築費高騰しすぎで計画の破綻が続出

世界的なインフレで、かなり建築費用が高騰しています。

安くなる雰囲気は今のところ皆無です。

高すぎて、建築計画がとん挫しています。

2023.12 東京都 江戸川区新庁舎延期
2024.3 東京都 国立劇場建替え延期
2024.4 東京都 五反田TOCビル建替中止

全国で数え切れないプロジェクトが破綻しています。

どれぐらい高くなったのか?(2015~2024)

10年前との比較をグラフで見てみましょう。

全て東京都の工事原価です。

木造

約138%上昇

鉄筋コンクリート造

出典:指数グラフ | 一般財団法人建設物価調査会 (kensetu-bukka.or.jp)

約131%上昇

どの構造も130%以上急激に高騰しています。

問題は、現在も値上がり中ということです。

今後も、上昇し続ける可能性が高い。いったいどこまで上がっていくのか誰にも予測はできません。

建築費高騰による問題点

問題点は2つあります。

設計段階の金額より実際の工事費が高い

設計が終わってから工事発注まで通常タイムラグがあります。設計完了後ただちに工事を発注しても、仕上げ工事は1年先。その時に仕上材料、人件費ともに高くなっています。融資実行時の見積金額より工事費がかなり高くなってしまったというケースは増えています。

事業の採算があわない

工事費が3割から4割増額すると採算がとれず赤字になる。

4800万 → 6500万円

7800万 → 1億越え

建築工事は元の金額が大きいので、増額分も半端ではありません。赤字になることが分かったままでは計画は進みません。

1つだけメリットがあります。

たくさんの計画が中止になり、1つだけ良いことがあります。

少し前までは、人手不足で業者が全くつかまりませんでした。発注者と受注者の立場が逆転して、設備工事は数カ月先まで待機なんてこともありました。基礎工事屋、大工さんも全然来てくれないという時期がほんの2、3年前でした。

それが今はどうでしょう。あまりにも多くの物件が中止になったため、多くの業者さんがすぐに来てくれます。これはありがたい。でも長期的にこんな環境が続くと、そもそも業者さんが破産してしまっていなくなってしまう・・・ということも考えられます。

実際に、多くの建築関係業者が倒産しています。

インフレ中で事業計画を立てるには?

とにかく計画の見直しが必要です。

値上げ前提で、予算にゆとりを持ち、当初計画をギリギリまで抑える努力が必要です。

インフレ時代に安くするためのウルトラCは基本的にありません。

ではどうすればよいのか?

答えはとにかく小さくすることです。

土地の大きさ、建物の大きさ、部屋の大きさ、窓の大きさ、とにかく小さくしましょう。

これが一番簡単で結果に影響します。そのほかにも、計画に応じた小技を積み重ねれば1割安くなるとうことはありえます。しかし根本的な解決にはつながらないということが多いです。それほどまでに金額上昇率が半端じゃないんです。

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